NiGHT SHiFTER (Strings Live sessions 2021)のサビと掛けて、長篠の戦いの鉄砲隊、と解く #聴き所解説

Post date : 2021.08.11

Category : ETC

先週になりますが、8/6に配信リリースになったこちらの作品
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すでに聴いてもらってるでしょうかー?(各種サブスクのリンクはこちらね

ラッパーでトラックメーカーの「ぜったくん」の4楽曲を
「ライブ演奏」で新たなサウンドに仕上げて作品としたんですが、
こちらの聴きどころ、というか、こんなこだわりあるんですけど…みたいなのを
せっせとアレンジを作ったり、一緒に演奏したサイドからのお話として、記録しておきますね。
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撮影終了直後の楽屋写真。
んー、KO-neyが妙に目深にキャップをかぶってるのが怪しい…

まあ、まずは何よりも音と映像を…ってことなので、まだ見てない方はこれを↓

今回のプロジェクトは、まずそもそもはオレが今年手掛けさせてもらった
「RHYMESTER MTV Unplugged」を、ぜったくん本人とスタッフの方が
見てくれて、こんな感じをぜひやってみたい!という事でオファーしてもらった事から始まるんですね。
ホントに有難いお話でして、ちゃんと届いてたんやなあ、と感慨一入。
そこから、ミーティングを重ねまして、結局辿り着いたのが今回の編成。

「MPC + ベース + キーボード + ストリングス・カルテット + コーラス」

これって、キモになるポイントが大きく3つありまして
その1:生のストリングスカルテットがサウンドの骨である

その2:ドラム無しで、MPC+ベース+キーボード、のトリオバンドである

その3:この編成で、いかに”生演奏”に聴かせるか?

これら3つは、どれも欠かせないというか、今回の最大級のミッションでして、
そもそも打ち込みで作られてる作品ですから、それをMPCのビート
演奏しちゃうと、「それって打ち込みと何が違うの?」みたいな事になりかねない。
人が集まって演奏してる旨みがちゃんと出た上で、サウンドが打ち込みのようなビートになってる。
これはなかなか難しいミッションでしたが、そこはまずKO-neyが頑張ってくれましたね。
(写真では、妙に目深にキャップを被ってはいたが)
打ち込みの音を残して一緒に演奏する、という方法もあったんですが、
それを無しにして、オリジナル音源の再現ではなく、雰囲気も残しながら、
フィンガードラマーとしてKO-neyの解釈で演奏してもらった感じですね。
ドラムパターンも基本は本人に考えてもらいましたが、リズムの展開構成はアレンジの方向を決める上で、
アレコレとリクエストしつつ、整えていってもらいました。
このNiGHT SHiFTER Strings Live versionのアレンジのキモは
ぜったくん本人がラブホのバイト中にスマホで打ち込んだイントロフレーズなんです。

そのフレーズは0’15″~出てきます
オリジナル音源の「NiGHT SHiFTER」を聴いて確認してみましょう↓

このフレーズがすごく印象的だったんで、これをストリングス・カルテット(生演奏)変換しちゃおう、って所から
スタートして、次にオリジナル音源でも間奏で出てくるんですけど、
これを間奏じゃなくて、むしろ大サビにしちゃおうって
考えてアレンジしたんですね。
つまり、サビの歌が出てくるんですけど、そこがいきなりサビって事ではなくて、
サビが3段構え、長篠の戦い鉄砲隊仕立てになってるんですね。
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わかります???
つまり歌が出てくるサビの最初(1段目)
そしてドラムパターンが変わって、キックが4つ打ちに変わる(2段目)
ここで、ちょっとだけワクワクのテンションが上がるんですね、でもスネアを打たないことで、そこまでは盛り上がらないようになってる。
そして歌が抜けて、ストリングスで、あのフレーズが出てきてパッと華やかになる(3段目)
これが今回のNiGHT SHiFTERのアレンジで使った長篠の戦い鉄砲隊仕立てというわけですねー
いやあ、歴史好きなのが、こんな所に生かされる事になるとは…

さらに、ベースを弾いてくれたSUKISHAくんには、とにかく好きなように思いっきり弾いてもらいました。
というのも、重要なのは今回のバンド編成の中にギターがいなかったってことでして、
オリジナルにはギターのカッティングがいっぱい入って、躍動感を出してるんですが、
その役割をベースとキーボードで担うには、ベースは自由に弾きまくってもらう必要がありました。
そこはバッチリやってもらえたと思いますね。リハ中から、ベースに負けないくらいしゃべり倒してましたし。
渋い所では、キーボードは実は白玉的なサウンドで支えつつ、要所要所でギターカッティング的バッキングも
カマしてまして、その辺りのベースとのせめぎ合いは、3人編成トリオバンドの醍醐味って感じでしたね。

というわけで、今回のライブ演奏は同期無し(打ち込みの音)、
正味3人のバンドとストリングス・カルテットの音だけで構成されてます。
それが今回の”生演奏感”を強めてる秘密ですね。

おっと、忘れてはいけない要素がコーラスのキミカちゃんの存在ですね。
初めて、ぜったくんのライブを見た時から、すげーコーラス最高やなーと思ってましたが、
彼女のポジションは今回のバンドには不可欠やったと思いますね。
ぜったくん自身が音源で重ね入れてる声の中の重要なパートをしっかり支えてくれてる。
2人の、ヴォーカル+コーラスのコンビネーションも、ライブ感の重要要素ですね。

というわけで、バンド側メンバーで記念撮影ver2
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うーん、やっぱり妙に斜に構えてるKO-neyが気になる…

ストリングス隊、ともちゃんカルテットの活躍は言うまでもなくですが、
今回のサウンドのキモ、となってるわけで(作品タイトルにもなってるしね)
的確なプレイと素敵な音色でまとめ上げてくれました。
1st violinの石橋尚子さん(なおちゃん)の、伸びやかな音は、この曲の中でも随所に聞かれますし、
個人的にどーしてもフィーチャーする場面をすぐに作ってしまうチェロ、(音色が好きなのだ)
古川淑恵さん(よっしー)が活躍するブリッジ(get down get down〜のとこ)、
他の曲で、2nd violin亀田夏絵さん(なっち)、
リーダーのviola島岡智子さん(ともちゃん)に活躍してもらう場面も書きましたから、
またその曲を紹介する時に、彼女らの聴き所は書きますね。
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あ、2’14″~の、ぜったくんがゲームのコントローラーをいじってるのは
女性サンプリングヴォイスを演奏してるからであって、
演奏中急にゲームをしたくなってるわけではないと言うことも
追記しておきましょう。

えー、と言うわけで、
NiGHT SHiFTER (Strings Live sessions 2021)
何度聴いても楽しんでもらえる作品になってると思います。
オリジナルと聴き比べて、色々と違いも見つけるも良し。
サビを聴いて、長篠の合戦に思いを馳せるも良し。
自由に楽しんでみて下さい。
では、Midnight Callが公開されたら、またこんな感じで書きますね。でははー

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